なぜ人は生まれる前の記憶がないのか

この世とあの世

人は記憶を消して生まれてくる

私たちはこの世に生まれてくるときに、それまでの記憶をなくして生まれてきます。

なぜ人は過去世やあの世のことを忘れてくるのでしょうか。

それには、明確な理由があるのです。

誰もが課題を持って生まれてくる

私たちは誰もが課題や宿題を持ってこの世に生まれてきます。その課題は人によって千差万別です。

もし、すべての記憶を持ったまま生まれてきたのならば、自分の課題も、その答えも分かってしまいます。それでは生まれてくる意味がないのです。

それは言ってみれば、カンニングのようなものですよね。答えを見て問題を解くようなものですから、それでは、本当に自分の魂の実力になっているのかどうかは分かりません。

この世は魂の試験場

この世というのは、そういう意味で魂の試験場であって、あの世で学んだことが実際に、肉体という制限されたものの中に宿って、できるかどうかを試す場所であります。

私たちはみんなそれぞれ別の課題を持っていて、心の奥底ではその自分の課題の答えも知っているんですね。なぜなら、あの世で答えは学んできているからです。もう答えは知っているんですね。

それをこの世で実際に行動として表せるかどうか。実際にそれができるかどうか。そのために、いったんほとんどの記憶を忘れて肉体に宿って、ゼロからスタートするということです。

自分の魂のすべてが肉体に宿るわけではない

もっと言うのならば、いわゆる無意識、潜在意識とも言われますけれども、そこにすべての過去の記憶や経験から学んだことが入っています。心の奥底には、そのようなものがあるのです。

肉体に宿っているのは、一般的には魂の10%程度であって、残りの90%はあの世に残っているのです。魂のすべてが肉体の中に入れるものではありません。

ですから、あの世に帰れば、人はすべて思い出すことになります。過去世において、どのような時代や場所に生まれて、誰と家族になり、何を学んできたのか。そして自らの魂の傾向性というものも改めて実感する。

そして、あの世に帰った後、この世で学んできた経験はあの世に残っていた魂とすべて共有されて、その魂全体の学びとして蓄積されていきます。

そのようにして、魂は学びを深めて、進化発展しているのです。