『プルーフ・オブ・ヘブン』〜臨死体験で見てきた死後の世界〜

この世とあの世

エベン・アレグザンダー医師が見た死後の世界

ブログ読者の方から教えていただいたエベン・アレグザンダーという医師がアメリカにいらっしゃいます。

そのエベンさんが書いた『プルーフ・オブ・ヘブン』(白川貴子訳、早川書房)という本を読みまして、副題として「脳神経外科医が見た死後の世界」とつけられています。これはエベンさん自身の臨死体験をまとめた本です。

全米で二百万部を超えるベストセラーとなり、日本でも「奇跡体験!アンビリバボー」や「NHKスペシャル」などの番組でも紹介されたことがあるようなので、ご存知の人もいらっしゃるかもしれません。

読者の方にご紹介いただくまで、私もエベンさんというお医者さんは全然知らなかったのですが、本の内容を読んで驚きました。細菌性髄膜炎によって七日間昏睡状態になったエベン医師は、いわゆるあの世の世界に行っていたのです。

暗闇の上から回転して降りてくる金色の光

最初に気づいたときは、エベンさんは暗い、泥の中のような世界にいたのでした。自分の肉体はないのに意識だけはしっかりあり、そこはミミズのような、爬虫類のようなグロテスクな動物たちがうようよしていて、臭いが漂っている世界でした。

それからしばらくして、闇の中の上のほうから金色がかった白い光が回転しながら降りてきました。その光によって周りの暗闇が消えていき、その光が発する美しい旋律が音色のように聞こえてくるのでした。

そして、その光の向こう側を見ていると、急激に猛烈なスピードでエベンさんは上昇し始め、隙間をくぐり抜けると、そこには別世界が広がっていました。明るく光輝き、活気に満ちた美しい世界が目の前に広がっているのでした。

テレパシーによるコミュニケーション

私たちは死ねば肉体を脱ぎ捨てて、魂という本来の姿になります。

その際、他の人との意思疎通は、もちろん肉体はありませんので、口から言葉を発して話をするのではなくて、テレパシーでやり取りすることになります。思いを直接電波のように飛ばしてやり取りするわけです。

エベンさんは『プルーフ・オブ・ヘブン』の中でこう書いています。

「こちらの世界で考えられているような言語機能は働いていなかったが、私は言葉を用いずにその風に対し、またその背後で働いていると感じられた神聖な存在に対して問いかけた。

ここはどこですか?

私はだれなのですか?

なぜ私はここにいるのですか?

ひとつ無言の質問をするたびに、電光石火の速さで答えが返ってきた。答えは光と色と美が渾然一体となって爆発し、怒涛のように押し寄せるかたちで返された。」

あの世に帰れば、私たちはみんなこのようにコミュニケーションをしているのです。思っていることがすぐにダイレクトに相手に伝わる。

普段この世で肉体を持っていても、相手が何を思っているかは言葉として表現されなくてもなんとなく分かったりしますよね。

この世では肉体があるために、ある意味でお互い鈍感になっているわけですけど、肉体があってもなんとなく相手の思いを感じられるということは、肉体がなくなればどうなるのか。

つまり、お互いに思っていることが剥き出しになるわけです。

肉体があるときは隠せていたものも、魂だけになれば何も隠せません。

「あなたは永遠に、深く愛されています」というメッセージ

エベンさんは空を飛びながら移動していて、眼下には田園風景が広がり、楽しそうに遊んでいる子どもたちの姿も見えました。

ただただ美しい、まるで夢のような世界。でも、まさにリアルな、現実の世界。

そして、自分のそばに案内役の美しい女性がいることに気づくと、自分もその女性も蝶の羽に乗って空を飛びながら移動しているのでした。

その女の人は、言葉を使わずにダイレクトに語りかけてきて、その内容はそよ風が吹き抜けるようにエベンさんに伝わってきました。

そのメッセージの内容は地上の言葉に言い換えると、

「あなたは永遠に、深く愛されています」

「恐れるようなことは何もありません」

「あなたのすることには、ひとつも間違いはありません」

というものでした。

そして、エベンさんは神の存在を感じることになるのですが、それについてはまた次の投稿でご紹介したいと思います。