利他的な行動が幸福度を高める〜実証実験から読み取れること〜

幸せになる生き方

幸せになるために知っておきたいシンプルな真実

幸せになるために必要なことは何だと思いますか。

それはそんなに難しいことではありません。

むしろ、とてもシンプルであり、単純なことなのです。

それはつまり、「他者の幸せのために行動する」ということです。

「それだけでいいの?」と思われる人もいるかもしれませんが、本当はたったそれだけのことなのです。

以下の記事でもそれが実証されていることが分かります。

他人の幸せの為に行動すると、幸せになれるのか?―利他的行動の幸福度への影響の実験による検証―
他人の幸せの為に行動すると、幸せになれるのだろうか。世界各国で、寄付のように他人に利益を与える行動をする人は、幸福度が高い傾向があることが示されている(Akni...

ここで紹介されている「利他的行動で幸せになれることを実証した実験」では、まさにそのことが示されています。

自分のためにお金を使うか、それとも他人のために使うか

アメリカで行われた実験の内容を簡単にご紹介すると、Science誌に掲載されたDunn et al.(2008)による研究では、46人の参加者が実験が行われる日の朝に自分の幸福度を評価して、その後、2つのグループに分けられます。

1つのグループは5ドルか20ドルを渡されて、午後5時までに自分のためにお金を使うよう伝えられます。

もう1つのグループも同じく5ドルか20ドルを渡されますが、午後5時までに他の人へのプレゼントか寄付に使うよう伝えられます。

そして、参加者は午後5時以降にもう一度集められて、自分の幸福度を評価します。

その結果、自分のためにお金を使った人たちよりも、他人のためにお金を使った人たちのほうが平均的に幸福度が高まったことが確認されています。

私たちの多くが間違った思い込みをしている?

また、この研究で興味深いことは、使った金額が5ドルでも20ドルでも幸福度に大きな違いが見られなかったということです。

一方で、この研究では、この実験とは別の人たちに対してお金を使った際に感じる幸福度を予測する質問もしていて、次のような傾向が出ています。

それはつまり、人々は多くのお金を使ったほうが幸せになれるだろうと考えていて、また他人よりも自分のためにお金を使ったほうが幸せになれるだろうと考えているということです。

実際は、実験結果が示しているように、他人のためにお金を使ったほうが幸福度が高まっていることが確認されているわけですから、ここから言えることは、私たち人間は実は間違った思い込みをしている可能性が高いのではないかということです。

利他的な行動が幸福度を高める

上記はアメリカでの実験でしたが、他にもカナダや南アフリカでも同様の実験が行われ、経済的な貧富に関わらず利他的な行動が幸福度を高めることが分かっています。

「海外の話だから日本でも同じとは言えないだろう」という人もいるかもしれませんが、記事内にあるように、ニッセイ基礎研究所が寄付と幸福度の因果関係を調べるための大規模なWEB調査も行っており、そこでの結果も利他的な行動が幸福度を高める可能性を示唆したものとなっています。

これらは実験上だけのことだけではなくて、個人的な経験を踏まえてもそうですが、実際にそのような行動をしてみれば、より深く実感できることであるのは間違いありません。

みなさんは利他的な行動をされていますか?

幸せになるために難しいことや複雑なことは必要ない

これまで、私たちの多くが自分のために生きれば幸せになれると思い込んできたかもしれませんが、本当はそうではなく、他人のために生きたほうが幸せになれるのではないかということ。

それは、元々人間というのは神の子として本来そのようにつくられているのであって、そのことをこれまで私たちはずっと気づかずに生きてきたのかもしれません。

幸せになるために何か難しいことや複雑なことが必要なのではありません。

他者の幸せを願い、そのために自分にできることを一つでも二つでも行動に移し、実践すること。

それに尽きていると言えるのです。