親が許せないという人へ
親が許せないと悩んでいる人をよく見かけます。
親が許せないというとき、様々なケースがあると思うのです。
たとえば、昔に親から言われた言葉で傷つき、それが長い間引っかかっていて許せないとか、自分が苦しかったときに全然助けてくれなかったので許せないとか、色々なことがあると思います。
親子の関係や縁というのは、決して偶然につくられているわけではありません。
そこには、過去世からの縁があって、今回親子になっていることが大半です。
親であっても完璧な存在ではない
親であっても、自分と同じときを生きている、ある意味では発展途上の存在であります。完璧な親など一人もいません。
ですから、まず最初に大事なことは、親も自分も共に学びをしている存在なんだと理解することです。
親と子というのは、魂の観点から見たときに確かに縁はありますけれども、それぞれが別々の歩みを持っています。それぞれの魂の個性も違えば、課題も違っているのです。
親は一人の神の子として学んでいて、あなたも一人の神の子として学んでいる。その中で、いっとき今回の人生で親子として生まれ、それぞれの人生を送り、魂の学びを深めている。
お互いにそのような存在であるという認識を持つことができれば、親を許すための糸口が見えてくるのです。
親にも未熟なところはある
すなわち、親も自分と同じ一人の神の子であり、完璧な人間ではないということ。間違いや過ちを犯すこともあるし、未熟なところがやはりあるということ。
であるならば、逆の立場になったとき、果たして自分も同じような間違いを犯さないと言い切れますでしょうか。それは、やはり言い切れないと思うのです。なぜなら、自分だって完璧な存在ではないのだから。
そのように思えたとき、親を許せる気持ちが出てくるのです。
許せないというのは自分自身もやはり苦しいのです。いつまで経っても苦しさが続く。それは親にやられたことが苦しいのではなくて、許せない思いを持ち続けていることが苦しいのです。
なぜなら、私たちというのは愛の思いでできているからです。その愛に反する思いを持っていれば苦しくなるのです。愛の思いというのは許す思いです。その思いが持てれば、苦しさは離れていくのです。
親がやってしまったことは親自身に返ってくる
親がやってしまったことに対して親を責めるのは簡単です。
もちろん、そのやってしまったことに対しては、親自身が責任を取らなければなりません。原因結果の法則の中で、自らがその結果を引き受けていかないといけません。
別の言い方をするならば、子どもに大きな苦しみを与えたのであれば、その苦しみは反作用としていずれ親自身に返ってくることになるわけです。
確かに親がやったことは簡単には許せないかもしれません。しかし、そのときに親自身も苦しんでいるのです。親自身もどうしたらいいのか分からずに苦しみ、悩んでいたということ。
そこに思いを馳せることも大切なことです。
その当時のことから学びや気づきを得ること
そして、客観的に振り返ることができるまで時間が経ったときに、その当時のことから学びや気づきを得ることが親を許すためのもう一つのきっかけになると思います。
つまり、親がそのようなことをしたのには何かしらの原因があるわけです。それは親だけに原因があるわけではなくて、やはり自分にも何かしらの原因があったのではないか。
それを冷静に、客観的に眺めて考えてみたときに、お互いに未熟だった部分が見えてくるようになるのです。その学びや気づきが出てくれば、「お互いにまだまだ未熟だったね」と前向きに捉えられるようになります。
そのように思えたとき、本当の意味で、心の傷が癒えて親を許せるようになるのです。
親を許せるようになるための二つのこと
今回は親を許せないという人に向けて、許せるようになるための二つのことをお伝えいたしました。
一つ目は、親も完璧な存在ではなく、自分と同じ発展途上の道を歩んでいる存在であるということ。
二つ目は、その当時のことから自分自身の学びや気づきを得ることで、親を許すきっかけになるということ。親自身も苦しんでいたことに思いを馳せること。
今回はこの二つのことをお伝えしたいと思います。