地獄にはどのような種類があるのか

この世とあの世

地獄にはどのような種類があるのか

あの世の世界において、地獄と言われるものには色々な種類があります。ここでは、いくつか代表的なものに触れてみたいと思います。

阿修羅地獄

阿修羅地獄とは、一言で言えば、破壊と闘争の世界です。そこでは、お互いに殺し合いをしたり、殴り合ったり、お金を巻き上げたりして、互いに傷つけ合っています。言ってみれば、暴力団のような世界です。どの地獄でも同じですが、心が休まるときなど全くありません。常に誰かに狙われ、害され、傷つけられ、殺されるという恐怖に生きているのです。(もちろん死ぬことはないのですが)

すり鉢地獄

アリ地獄のようなものをイメージすると分かりやすいかもしれません。そこでは人々が下のほうから上に上がろうとしているのですが、前の人が上がろうとすると、後ろの人が足を引っ張って落としにかかります。人の足を引っ張ってばかりいる人は、死んだ後、この地獄に行くかもしれません。一言で言えば、エゴイストの世界なのです。みんな人を踏みつけてでも上がろうとするのですが、結局誰も上がれず、そんなことを永遠にやっているのです。互いに協力することが分かればすり鉢から上がれるのに、それに気づかないのです。

血の池地獄

これもイメージしやすいかもしれませんが、名前の通り人間の血でできた大きな池のようなところです。人間の血というのは水のようにサラサラしたものではなく、どちらかと言うと粘り気があってネバネバしています。そのような血を溺れそうになりながらアップアップ飲んでいるような感じです。この地獄は、生きている間に情欲に苦しみ、肉体の性的な欲望に振り回された人がいるところです。

畜生道

ここでは、生前あくどいことをやっていた人が動物のような身体になっています。人間の姿ではなく、たとえば、ライオンや蛇、狐のような姿となっています。動物のような心持ちでいたために、実際に動物の姿に変化しているのです。

無間地獄

無間地獄は地獄界の最下段と言われており、光が全く射さない世界です。生きていたときに地上の人たちを惑わし、狂わせた人たちが行くところです。たとえば、間違った宗教指導者や政治指導者などが落ちていて、特に宗教家が多いと言われています。間違った教えで人の心を狂わせるのは大変大きな罪となり、深い暗闇の中で一人で苦しむことになります。自らの反省だけで済むようなものではなく、迷わせ、狂わせた人々の心が晴れるまで罪が消えることはありません。

生きている人の心の中に天国も地獄もある

このように様々な地獄というものがありますが、これは死んでからの話というだけではなくて、実はこの世で生きている時にそのような心を持って生きていれば、まさにそこに地獄が展開しているとも言えるのです。

言ってみれば、天国も地獄も心の中にあるのです。肉体を持っていたとしても、心の中が地獄に通じる思いに溢れていれば、その人に現れてくる世界はまさに地獄と同じ世界であり、心を入れ替えることができずにそのまま行けば、死んだ後もそのまま地獄へ直行することになります。

そのようにならないためにも、どのような心で生きるかが大変大切なことであり、愛ある心で人生を生きた人は地獄に行くことなどありません。

愛ある心とは、人に優しく、人を赦す心です。そして、人を生かし、幸せを分かち合っていく心です。そのような心で人と助け合って、協力し合って生きることができれば、地獄に行くことなど決してありません。