心の中に天国を築く

心は、「心の王国」と言われるように、誰からも侵されることのない領域です。

別の言い方をすれば、誰も他人の心にずかずかと入り込むことはできません。どんなことも思うことができ、人から強制されて何かを思うような必要もない場所、それが「心」と言われるものです。

私たち人間には神から自由意志というものが与えられており、何を思うのも、どんなことをするのも、それぞれに任されています。その代わり、「自分が思ったこと、やったことの責任は自分で取りましょうね」ということです。当たり前のことですが、私たちは案外そのことを忘れがちではないでしょうか。

天国と地獄はどこか遠いところにあるわけではなく、一人ひとりの心の中に天国と地獄があるのです。

あらゆる出来事に感謝をし、周りの人々のおかげで生きていられることに感謝をし、相手の良いところを見つけては褒め称え、ともに協力し合いながら、より良い世界を作ろうと不断の努力を続けている。それが天国と言われる世界です。その一方で、他人を誹謗し、自分さえ良ければそれでいい、他人が幸せになればその分自分が不幸せになるという思いで足を引っ張り合っている世界。それが地獄と言われる世界です。

もちろん、あの世には天国と地獄がありますが、私たちの「心」というものは、思いの世界ですから、あの世の天国にも地獄にも通じているのです。一日の中で、その思いの針が天国に向いたり、地獄に向いたりと、コンパスがクルクル回るように、思いの宛先が都度都度変化しているのです。

ですから、天国や地獄というものは、自分の外側にあるというわけではありません。内側にある心の思いが天国的か、地獄的かということによって、私たちの周りに現れてくる世界が天国にもなり、地獄にもなるのです。

似たような思いは引き寄せ合い、異なる思いは反発し合うという法則がありますが、天国的な心で生きていれば、日常が天国的になってくるのです。逆に地獄的な心で生きていれば、日常が地獄的になってくるのです。それは、心の持ち方一つで、すべてが変わってくるということです。

あなたの周りを見渡してみてください。
あなたの周りには天国の世界が広がっていますか?
それとも、地獄の世界が広がっていますか?
その世界や環境というものは誰のせいでもありません。
自分自身が引き寄せ、ある意味で、つくり出しているものです。

もし地獄の世界が広がっていたら、あなたはそれを天国に変えていく機会が与えられているのかもしれません、自分の心を変え、人の心を変えることによって。迷った人たちの心に光を灯すということは本当に尊いことです。