人間の人生は一度きりで終わりではない
これまで生きてきた中で、すでに自分の一生は決まって、その運命はどうにもしようがない。
そのように考えている人がいるかもしれませんが、実はそうではありません。
では、何が自分の一生を決めているのかと言えば、それは過去における自分自身の「選択」です。生きている間、私たちはこれまでたくさんの選択をしてきました。その選択の連鎖が、今の自らの運命というものを築いてきていることに気づくのではないでしょうか。
たとえば、中学から高校に上がるときにどの学校に進むのかというのも一つの選択であります。公立高校を選ぶのか、私立高校を選ぶのか。また、カリュキュラムも高校によって違っています。その中で、自分はどの高校に進みたいのか。もしくは中学卒業後は自分は働くのだという選択肢もあります。
そのような様々な選択肢の可能性がある中で、自分の進む道を選び取っていきます。
もちろん志望校に合格するためには、受験勉強をするという選択をしなければいけません。しかし、勉強するのもしないのも、その選択は本人に委ねられており、自由が与えられています。どちらを選ぶこともできるのです。これは考えてみれば当然のことだと思われるかもしれません。
これまでの選択の連続が人生を形作っている
ところが、多くの人が見落としがちなことがあります。それは人生というものを一回限りで考えているということです。人は死んだら終わりであると思っている人も多いかもしれませんが、今の人生の前には過去の人生における選択の連続があり、今回の人生の後にはまた次の人生における選択の連続があるのです。
私たちの人生は一本の長い線のように途切れることなく続いているものであって、その都度、選び取ってきた選択が現在の人生を形作っているのです。ですから、もし今あなたが幸せなのであれば、過去において何回も選択してきた結果がまさに今現れていることになり、連綿と流れ続けてきた幸せになるための思いと行いの連続が、時を越えて、今という瞬間に結晶化しているのです。
これは幸福だけではなく、不幸というものも同じであります。過去の人生において、もし人を傷つけることばかりする選択をしてきたのであれば、きっと今というときも不幸の果実として不幸せを味わうことになる。このように、選択の自由には責任というものが伴うものでもあるのです。
人間の人生は永遠の時の中で途切れることのない一本の線のようなもの
つまり、こういうことなのです。
私たちの人生というのは決して途切れることのない一本の線のようなものであり、その線を形作っているのは一つひとつの選択という点であります。
その選択が、愛に満ちた思いや行いに基づいていれば金色に光輝く点となり、その光輝く点がどんどん増えていくと光輝く線になり、ますます幸せになっていく。反対に、自我我欲のための思いや行いに基づいた黒い点が続き、黒い線となっていけば、どんどん幸せからは遠ざかっていくことになる。
一本の線というものが、10センチくらいだとすれば、その10センチが今回の人生であります。ところが、その0センチ地点よりも後ろにも線は引かれているのです。それは今回生まれてくる前の人生であります。
そして、10センチ以降の線というものも、今回の人生が終わったあと、途切れることなく永遠に伸びていくものであり、その線を結んでいくのは、一点一点の思いと行いによる選択であります。
このように思いと行いの連鎖というものが私たちの人生そのものであり、思いと行いを変えることでいくらでも何度でも人生をやり直すチャンスが神より与えられているのです。