利自即利他 自他の大調和と幸せの輪の広がり

愛の実践

「利自即利他(りじそくりた)」という教えが仏教にあります。

「利自」とは自分を利することです。

それは自分の悟りのために学び、修行や努力をして幸せを追い求めることです。

すなわち、自分を磨くことで幸せになっていくということです。

一方、「利他」というのは自分ではない他の人たちを利するということです。

それは他の人たちの救済に尽力するということです。

すなわち、それは他の人たちが幸せになるように、自らが得たものを自分だけのものとせず、多くの人々に返していく、分かち合っていくということです。

「即」というのは不即不離という言葉もありますが、ぴったりとくっついているという意味です。

つまり、利自即利他とは自らを利することが他の人々や社会の幸せを増していく利他につながっているということなのです。

例えば、自分が学んだことや身につけたことがあるのであれば、それを自分のものだけにしておくのではなく、その学びや技術を他の人たちにも教えてあげるということです。

自ら努力して得たものを他者にも共有することで、他の人たちの幸せにも貢献できるということです。

自分を磨いていく過程において、自分だけに留まらず、より善い社会、より多くの人たちが幸せになれるような世界を目指して幸せの輪を広げていくということ。

それは自と他を分けて考えるのではなく、自他ともに幸せになり、自他の大調和を生み出していくということです。

利自というのはそこだけに留まっていると、ややもすると自己完結した世界の中で満足しがちな面もありますが、それだけではなく、世の中、他の人々に幸せを還元していくということが大切なのです。

利自と利他を合わせ持ちながら、まずはその順番として利自から始めて利他につなげていく

つまり、利自であることがすなわち利他につながるということです。

それが利自即利他の意味であります。

そのような生き方によって自分はもちろんのこと、それだけではなくて、より多くの人たちが幸せになり、この世界は愛と調和に満ちたものになっていくのです。