「己心の魔」(こしんのま)という言葉があります。
これは自らの心の中に悪魔や悪霊たちに相通じる思いがあって、それらを引き寄せる原因になっているということです。
積極的に悪をなそうとする悪魔や悪霊と呼ばれる存在は、私たちの肉体の目には見えませんが、確かに存在しています。
それらがどのように忍び寄ってくるのかというと、まさに己心の魔によって自らが呼び寄せているのです。
欲に溺れ、邪な思いに駆られ、執着をし、中道を外れた自らの心にハーケンを打ち込まれるようにして魔が忍び寄ってくるのです。
同じ波長のエネルギーは引き寄せ合って大きくなるという「波長同通の法則」というものがありますが、それは自分の心の中にある思いに通ずるものが磁石のように引き寄せられるということなのです。
だからこそ、私たちは日々の生活の中で常に心の点検をすることが大切であります。
日々心の中を振り返り、黒く汚れた部分があったのであれば、反省をしてしっかりと掃除をすることが重要です。
それは窓の汚れを掃除するように、心の汚れを掃除をして取り除くということです。
すなわち、欲望に振り回されず、執着しない、丸くぴかぴかに光った心を保つということです。
そのような心はつるつるで引っかかりがないので、どんなに魔がやって来ようとしても魔の爪は引っかけられないのです。