感謝の思いはとても大事だと言われることが多いと思いますけれども、人によっては感謝など全く感じることがないという人もいるかもしれません。
私自身もそうでした。以前は、感謝やありがとうという気持ちなど全く持たずに生きていた人間だったので、感謝の思いなど全く湧かないという人の気持ちもよく分かります。
感謝というのは気づきなんですよね。何に気づくのかというと、当たり前だと思っていたことが本当は当たり前ではなく、ありがたいものだったんだと気づいたときに湧き上がってくる思い。それが感謝というものです。
たとえば、親に対する感謝というものは、子どもの頃にはなかなか持てないものではないでしょうか。
ご飯を作ってくれるのも、部屋の掃除をしてくれるのも、洗濯をしてくれるのも、毎日のことで当たり前ですから、私もそうでしたけど、ありがたいなんてなかなか思えないですし、当然のことだから殊更ありがたいなんて思うこともないのではないでしょうか。
もちろん、中には本当に素晴らしい子どもで親への感謝を常に忘れずに、親に対して「いつもありがとう」と伝えている子どももいるかもしれません。
私なんかは結局、自分自身で一人暮らしをするようになって、自分で料理や洗濯などをするようになって初めて、「ああ、自分は何も気づいていなかっただけで、親がこれを全部やってくれていたんだな」と思って、それに気づいてからようやく親に感謝することができるようになりました。
そんなふうに私たちは当たり前過ぎて気づいていないことがたくさんあって、当たり前に生きているように思っているけれども、本当は知らず、気づかぬうちに、誰かに支えられて、生かされているのだと思います。
それは自分の身の回りのことはもちろん、さらに大きな視点で捉えれば、空気というものだって、水というものだって、太陽の光だって、当たり前にあるように思っているけれども、そのおかげで私たちは生きることができています。
そのようなものを与えてくれている地球や太陽に対する感謝も私たちは忘れているのではないか。自然への感謝やありがとうという思いも忘れずに生きることがやはり人として大事なことなのではないかと最近よく思います。