人の苦しみは執着から生まれるものです。
執着というのは、何かにとらわれたり、こだわることです。
ブッダも言われたように、執着を捨てれば苦しみはなくなりますが、なかなかそれを捨てられないのが人間というものかもしれません。
あなたには執着しているものがありますか。
執着というのは、別の言い方をすれば、心の中で一日中ずっと思っていることです。
人は一日の中で色々なことを思ったり、考えたりしていますけれども、その中で頻繁に何度も何度も思ったり、考えたりしてしまうことがあります。
例えば、お金のことです。
「どうしたらお金をたくさん稼げるか」
「どうやったら儲けられるか」
そうやってお金のことにいつもとらわれていると、それが執着になって苦しみが生まれてきます。
しっかり働き、誰かの役に立って生きていれば、お金というのは必要なときに必要な分だけ必ず与えられるものです。
「まあ、必要なときにちゃんと回ってくる」
そう思っている人は、お金に執着することはありません。
そして、今、お金がないからといって悩むこともありません。
心の中がさらさらと小川のように流れているのです。
そこには苦しみは生じないということ。
苦しみというのは小川の淀みのようなものです。
それを流していくのが執着を手放すということです。