一つの新たな時代や文明、文化の高みを作るために
一つの新たな時代や文明、文化の流れを作るとき、それに関わる使命や役割を帯びた魂たちが数多く群れをなして地上に生まれてきます。
例えば、古代ギリシャにおいてはソクラテスやプラトン、アリストテレスなどをはじめとした多くの哲学者たちが大挙して生まれた時代がありました。
そこで、その後の学問の基礎となる屋台骨が作られ、知性の時代という流れを作り、二千年以上を過ぎた今でも人類はそこから多くの学びを得ています。
当時、たまたま時期が重なって多くの哲学者たちが偶然に生まれてきたわけではありません。
それは天上界の計画のもとで、そのような目的と意図をもって多くの魂たちが地上に生まれて実現されてきたものです。
その仕事を一人だけで行うのでは時代に押し流されてしまうようなことがあっても、同時期に地上の同地域にまとまって生まれ、共に仕事をすることで一つの時代を作っていくことができるのです。
クラシック音楽という芸術の新たなうねり
クラシック音楽というのも同じです。
元々、「クラシック」という言葉は「古典的な」という意味ですが、クラシック音楽と言うときには一般的には16〜19世紀頃の西洋音楽を指します。
現代の私たちにとってもとても馴染みのある音楽だと思いますし、知らず知らずのうちに耳にして聞いたことがある曲も多いのではないでしょうか。
特に17〜19世紀にかけて数多くの音楽家がヨーロッパの中でもドイツやオーストラリアに集中して生まれています。
それはもちろん偶然ではなく、芸術の新たなうねりを起こし、新たな音楽の波を起こすために多くの音楽家の魂たちが地上に生まれてきたのです。
そのようなときにはその波の中心となる人物たちが生まれて土台を作り、後世にも大きな影響を与えることになります。
「音楽の父」バッハと「音楽の母」ヘンデル
クラシック音楽の基礎を作り、その源流でもあるのが「音楽の父」と呼ばれるバッハ(1685-1750)です。バッハはドイツに生まれています。
そして、同じ年に同じくドイツに生まれたのがヘンデル(1685-1759)であり、ヘンデルは「音楽の母」と呼ばれています。
バッハは生地からほとんど離れることなく、宮廷または教会の音楽家として曲を作っていたのに対して、ヘンデルはイタリアやイギリスなどにも行き、より大衆に近いところでオペラやオラトリオなどの歌劇の作曲をしていました。
17世紀初頭から18世紀中頃までのヨーロッパの音楽は「バロック音楽」と言われますが、バッハもヘンデルもバロック音楽を代表する音楽家です。
バッハとヘンデルは八次元(如来界)の魂であり、芸術の中で新たな音楽の流れとなる屋台骨を作るために地上に生まれてきたと言えます。
また、ヴェネツィアに生まれたビバルディ(1678-1741)もバロック音楽の有名な作曲家です。
代表曲である「四季」はクラシック音楽の不朽の名作の一つとして知られており、ビバルディは七次元(菩薩界)の魂です。
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどの古典派音楽
そして、バッハとヘンデルの後に生まれてきたのがハイドン(1732-1809)です。
オーストリアに生まれたハイドンは数多くの交響曲や弦楽四重奏曲を作り、「交響曲の父」や「弦楽四十奏曲の父」と呼ばれています。
およそ三十年ほど貴族のエステルハージ家に仕えて、その間に宮廷の楽長となり、多くの作品を作りました。
楽長というのは宮廷の楽団の中で最も偉い立場であり、指揮や作曲、メンバーの指導に当たる人です。
当時、ハイドンと重なるようにして生まれていたのがモーツァルト(1756-1791)です。
モーツァルトは幼い頃から天才的な音楽的才能を発揮し、わずか三十五年という短い生涯でしたが、オペラや交響曲、協奏曲、ピアノ曲などあらゆるジャンルで傑作を残しました。
ハイドンとモーツァルトとともに「古典派音楽」を代表するのがベートーヴェン(1770-1827)です。
この三人の音楽家はウィーンを中心に活躍したこともあり、「ウィーン古典派」と呼ばれることもあります。
ドイツに生まれたベートーヴェンは宮廷の音楽家だった父親のもとで教育を受けて、後にウィーンで貴族たちの援助を受けながらも独立した音楽家として活躍しました。
難聴に悩まされながらも、ベートーヴェンは交響曲第五番「運命」をはじめとする数々の大作を生み出し、後世の音楽家たちに多大な影響を与えています。
ハイドンは八次元、モーツァルトとベートーヴェンは七次元の霊格を持つ魂です。
ロマン派で活躍した音楽家たち
ベートーヴェンは古典派の集大成を行ったと同時にロマン派音楽の先駆者とも見なされています。
古典派は貴族の音楽であり、形式美に基づいていたのに対して、ロマン派は庶民、大衆に支えられた音楽で、内容美を重んじ、主観的な感情を自由に表現しました。
ロマン派音楽の代表的な音楽家としてはシューベルト(1797-1828)やショパン(1810-1849)、ワーグナー(1813-1883)、ブルックナー(1824-1896)、ブラームス(1833-1897)、チャイコフスキー(1840-1893)、マーラー(1860-1911)などがいます。
それぞれシューベルトやブルックナー、ブラームス、チャイコフスキーが六次元(神界)、ショパンは八次元と七次元の間にある梵天界、ワーグナーは七次元、マーラーは八次元の住人です。
音楽界にそびえ立つ一つの大きな山として
このように、クラシック音楽というのは霊格の高い音楽家の魂たちが多数地上に生まれて、音楽の新たな源流を形作りました。
その音楽の調べの中には天上界の波動を伝えるものも多いのです。
音楽の世界においてはクラシックの影響力は非常に大きなものがあります。
これから先、時代が移り変わっていったとしても、このクラシック音楽が栄えた時代というのは一つの大きな山としてそびえ立ち、音楽家たちに多大な影響を与え続けることでしょう。
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