小鳥たちに説教したアシジの聖フランシスコ

神の子

アシジの聖フランシスコ

アシジの聖フランシスコは、フランシスコ会の創設者で、中世イタリアを生きたカトリックの修道士です。

マザー・テレサは、アシジの聖フランシスコの人生を知り、修道女を目指すことにしたと言われています。

また、アメリカのサンフランシスコは彼の名前から取られているなど、現代においても様々な意味で「生きている」と言えるかもしれません。

兄弟姉妹として愛していた小鳥たちへの説教

そんなアシジの聖フランシスコですが、小鳥やオオカミなどの動物たちを、自分と同じ神の子として兄弟姉妹のように愛し、小鳥に説教したり、オオカミを回心させた話が有名です。

たとえば、小鳥たちに説教した内容というのは次のようなものです。

「小鳥のみなさんはどこへでも飛んでいける自由を神から与えられ、歌をさえずることもでき、また、食べ物も空気も水も神より与えられている。そして、着るもの(=毛)も樹々や山などの住みかも与えられている。これだけ多くのものを神より与えられているのだから、神に感謝をして、いつも神をほめたたえるようにしましょう。」

アシジの聖フランシスコが小鳥たちにそのようなことを言うと、小鳥たちはいっせいに口ばしを開け、首を伸ばして羽を広げては頭を地面に下げて、その言葉が大変自分たちに喜びを与えたことを示しました。

そして、彼が小鳥たちに立ち去る許しを与えると、小鳥たちは美しくさえずり歌いながら、十字の形を作るようにして、飛び去っていきました。

小鳥たちへの話から学べる二つのこと

アシジの聖フランシスコはこのように小鳥たちに話をしたと言われているわけですけれども、ここから二つのことを私たちは学べるのではないでしょうか。

一つ目は、私たちもこの小鳥たちと同じように多くのものを神から与えられているのではないかということです。

生きる上で必要な空気や水、太陽など、考えてみれば、それらは無償で神から与えられているものです。

その感謝というものを人間は忘れているのではないか。

そして、二つ目は、小鳥などの動物も同じ神の子であり、私たち人間の兄弟姉妹であるということです。それは動物だけではなく、植物もそうですし、鉱物などもそうです。

生きとし生けるものすべては、同じ宇宙の神から分かれた存在として一つにつながっている神の子であり、その内側に同じ愛のエネルギーが流れています。

兄弟姉妹として互いに愛し合い、調和して生きていくことを神は私たちに望まれているのではないか。

そのようなことに気づかせてくれるお話だと思いました。

アシジの聖フランシスコについては様々な逸話があるので、また今後折を見てご紹介できればと思います。