不幸のどん底にいるとき
生きていると苦しいことしか起きないと思っている人もいるかもしれません。
人生から逃げ出したいというような不幸のどん底にいるとき、人は目の前のことで精一杯になり、いつも自分の人生には苦しいことばかりが起こると思い込んでしまうものではないでしょうか。
それも無理はないことかもしれません。
これまでの人生の中で幸せを感じていた瞬間を忘れていないか
しかし、それまでの人生を振り返ってみたとき、すべての瞬間が不幸に満ちていたかというと、そんなことはなくて、幸せを感じていた瞬間というものが確かに夕陽を浴びた海辺の砂粒のように光っていて、それを忘れているだけということがよくあります。
生まれてからこれまでのことを振り返ってみてください。
そこには、悲しく、辛い思い出ばかりではなく、温かく、心が満たされていた瞬間というものが必ずあるはずです。
例えば、親と手をつないで幼稚園まで歩いていたときはありませんでしたか。
その大きな、親の温かい手を握りながら嬉しい気持ちが心いっぱいに広がっていたこともあるかもしれません。
苦しいときには「苦しい」と言っていい
誰も自分のことを分かってくれないという人もいるかもしれません。
話をしてもきっと相手は受け入れてくれないはずだと思うこともあるかもしれません。
苦しいときには「苦しい」と言っていいのです。
辛いときには「辛い」と言っていいのです。
それを言わないから、相手もあなたの苦しさや辛さに気づいていないだけなのかもしれません。
自分から思いを発しない限り、相手には届かないものです。
幸せになるために苦しいことが起きている
どのようなことが降りかかってこようとも、人生において無駄なことは一つもありません。
すべての出来事が今の自分に必要だからこそ起こっているのであり、それはあなたを苦しませるために起きているのではなく、あなたが幸せになるために起きているのです。
そして、あなたと同じような経験をして苦しんでいる人はあなたの周りにはたくさんおります。
「誰も自分の苦しみなど分かってくれない」と言って、孤独の闇に落ち込んでいる人たちはたくさんいます。
その人はまさにあなた自身であり、同じように苦しみ、悩んでいるあなた自身の姿でもあります。
であるならば、その人に対してどのような言葉をかけてあげることができるでしょうか。
「あなたの苦しみは私も知っているよ」と。「私も同じような体験をして大変苦しみ、悩んでいるんだ」と声をかけることはそんなに難しいことではないと思うのです。
お互いにそのような優しい言葉をかけ合うだけで、人は救われていくことがあるのではないでしょうか。
最後はすべてが感謝に変わる
そして、すでにそのような苦しみから脱した人であれば、「あのような大変な経験があったからこそ今の自分があるんです」と言えるようになり、過去の壮絶な経験こそが人生の糧になるんだということを実感し、すべてに感謝できるようになっていくものです。
どんな人生であったとしても、最後はすべてが感謝に変わっていくのです。
心は常に満たされて、あれだけ逃げ出したいと思っていた人生のすべてを受け入れられるようになっていくのです。