質問:やりたいことが見つかりません。両親からは「なんでもいいから夢を持ちなさい」と言われることもあるのですが、これといった夢もありません。これから自分はどうすればいいのでしょうか。
回答:やりたいことが分からないという悩みを持っている人は多いですよね。
これは大人になれば自動的に見つかったり、勝手に解決するときがやって来るというものではなく、大人であっても本当に自分がやりたいことが何なのか分からないまま生きている人のほうが多いのではないか。
そのように思います。
またその一方で、若くして自分はこの道を行くと心に決めて一心不乱に生きている人もいますよね。
その違いがどこにあるのかと言えば、やはり人生の目的と使命を見つけられたかどうかだと思うのです。
何の目的もなくこの世に生まれてくる人というのはいませんし、使命というのは「命を使う」とも書きますけれども、自分という存在がこの与えられた命を使って果たすべきことは何なのか。
やりたいことや夢というのは、言ってみれば、その人生の目的と使命のことなのです。
それは一人ひとりみんな異なるものではありますけれども、それぞれの心の中にすでに入っているのです。
ダイヤモンドの原石のように必ず心の中に埋まっています。
やりたいことが見つけられたかどうかというのは、それを掘り起こすことができたかどうかだと思うのですね。
それは心の中にあるということ。
自分の外側ではなく内側にあるということです。
ですから、世の中の常識や「こうあるべきだ」というような周りの人たちの声に振り回されるのではなく、自らの心のうずきに耳を傾けてみるということですね。
それが本当に大切なことなのです。
そのように内面を見つめていますか。
湧き上がってくる様々な感情に振り回されずに心を落ち着けて、心を丸く調和させて、自分の心の中に深く、深く入り込んでいますか。
そのようなときに、ふとした思いつきのような形でインスピレーションが与えられることがあります。
何か言葉や情景が思い浮かんできたり、将来のビジョンを見ることもあるかもしれません。
今の自分では考えられないようなことをしている自分の将来の姿が見えたりすることもあるかもしれません。
そのようなものが一つのヒントとして与えられることがあります。
それは心の中に埋まっているダイヤモンドの原石の一面を、一端を捉えたということです。
それを捉えることができたのであれば、今度はそこに向かって、一生懸命にその原石を磨いていくということ。
ダイヤモンドであっても、あの原石を磨きに磨くことでピカピカに光り輝く宝石になるように、心の中にある自分の夢や理想という原石を掘り起こしたのであれば、それを磨き続けていくことです。
やはりそのたゆまぬ努力がなければ、それが光り輝くことは決してなく、宝の持ち腐れになってしまいます。
ですから、話を戻せば、尽きるところ自分の中にその答えはあるということです。
それを宝探しのように探していく。
例えば、何をやっているときが自分の心は一番幸せを感じているのか。
そこから掘ってみるのも一つの手だと思います。
人間というのは根源的に、誰かの幸せのために生きられたときに自分も大きな幸せを感じるように創られているんですね。
それは一言で言えば、利他の精神です。
愛の精神と言ってもいいです。
自己犠牲ということではなくて、他の人も、自分も、みんなが幸せになっていくことができる。
そのためにあなただからこそできることがある。
いや、あなたにしかできないことがある。
そういうことなんです。
それがそれぞれの人生の目的であり、使命というものであります。
そのような視点でもって心の中を見つめてみてください。
それはそう簡単に見つかるものではないかもしれませんけれども、必ずそこに埋まっていますから、それに気づき、自覚をし、光り輝かせていただきたいなと思っております。