良い意味でも悪い意味でも、自分のしたことが自分に返ってくるというのは本当で、それは宇宙を貫いている法則です。
それはたとえば、誰かから嫌なことをされたときに普通は「嫌な人だな。なんで自分がこんな嫌なことをされなきゃいけないんだろう」と思いますよね。
でも、それは本当は自分が誰かに同じ嫌なことをしたことがあって、もう忘れているかもしれませんけれども、それが自分に返ってきているだけなんです。
人間は自分のしたことが相手にどういう影響を与えているかということにけっこう無自覚なところがあって、それに加えて、自分のしたことを忘れがちだったり、また、自分はそんなつもりではなかったのに相手のほうはひどく傷ついていたとか、そういうことはよくありますよね。
自分が誰かにやったことは時を経て巡りめぐって自分自身に返ってくるので、自分が誰かに嫌なことをされたときに問われているのは「ああ、気づいていなかったけど、自分も誰かにこれまで同じような嫌なことをしていたんだ。それが今、返ってきたんだな。その人に悪いことしちゃったな。これからは気をつけよう。反省」という気づきに変えて、自らの思いと行いを修正して改めていけるかどうかということです。
そこで相手が悪いんだと相手を責め始めたり、腹立たしいから他の人に同じことをしてやろうとするのであれば、何の学びにもなっていないのであって、またいずれ自分がしたことが返ってきて、同じ目に遭うことになります。
「人からされて嫌なことは他の人にしない。」それはよく言われることですけれども、そこにさらに付け加えるのであれば、「人からされて嫌なことは他の人にしない。他の人を嫌な気持ちにさせないために。そして、自分がいつかそうされないために」ということです。
また、もし死ねばすべてがリセットされて、自分のやったことが何もかもなかったことになると思っている人がいるのであれば、そんなことは全くありません。自分がやったことというのは、死んだからと言ってチャラになるほど甘いものではありません。
「死ねば何もかも終わりなんだからやりたい放題やればいい」と思っていたら、死んだ後にひどい後悔をすることになるのであって、自分のやったことは今世を越えていつか自分に返ってきます。それがこの世界を貫いている法則であり、自分のやったことは自分で責任を取り、引き受ける以外に道はありません。