前世の記憶を持った子ども
前世の記憶を持った三歳の少年が、自分を殺した殺人犯を言い当てたという有名な話があります。
少年が語る前世の自分の名前や、彼が住んでいた村の名前などは実在しているものであって、四年前にその男性は殺されていたことが分かったということです。
少年が実際にその村を訪れたとき、多くの人がいる中で、ある男性を見つけて「◯◯さん?」と聞いたそうです。その男性は驚きながら「そうだ」と答えて、すると少年は「以前、僕はあなたの家の近くに住んでいました。よくあなたと喧嘩をして、あなたに斧で殺されました。僕の体がどこにあるかも分かるよ」と言って、実際にその少年が言った場所には白骨化した遺体が埋まっていたそうです。
結局、その男性は自らの犯行を認め、少年は前世で自分を殺した犯人を見つけることになりました。
このように、前世の記憶を持った人たちが確かに存在していて、特に子どもに多いようです。子どもの頃は、過去世の記憶を保持したまま生きていることが多いのかもしれません。
「自分はこれを知っている」という感覚
私自身も幼稚園生の頃に、なぜかは分からないのですが、このシーンや光景を知っていると感じたことがあります。
四歳か、五歳くらいだったと思いますが、幼稚園の運動会かお遊戯会か何かで、王様の役をやったことがありました。冠のようなものを頭に乗せて、運動場に置かれた台の上に立って、他の園児たちの前に立ったときに、何か懐かしいような、前にもこれと同じような経験をしたことがあるような不思議な感覚を味わいました。
それが何なのかはよく分からなかったのですが、既視感と言いますか、この風景は見たことがあると思ったものでした。自分が王様をやっていたことがあるのか、何か役者のようなことをやっていたときがあったのか。はっきりとは分かりませんけれども、懐かしい感覚だけは確かに今でもよく覚えているのです。
人間というのは、この世とあの世を何度も繰り返して生まれ変わっている存在です。過去世の記憶というのは、心の奥深くに眠っているものであり、その残り香のようなものが、ふとした時に舞い上がってくるのかもしれません。
人によって異なりますけれども、数十年から数百年、長い人だと千年から二千年くらいのスパンであの世からこの世へ生まれ変わってきます。つまり、人生というのは一度切りではないということです。異なる時代や環境の中で、何度もこの世に生まれ変わってきては様々な経験をして、魂の器を広げ、あの世に帰っていくのが人間の本当の姿というものなのです。