一人ひとりの普通の人の小さな声が世界を変える
ロシアによるウクライナへの侵攻に対して世界中で「ノー!」という声が湧き上がっています。
今以上に世界中で平和が求められているときはありません。インターネットやSNSの発達によって、世界中の人々が何を願い、どう感じているのか。一人ひとりの普通に生きている、普通の人たちが声を上げ、思いを表明できる時代になりました。
それらを見て聞いて改めて思うのは、誰もが戦争など望んでいないということです。心の奥では誰もが平和な世界を望んでいるということです。
「一人ひとりの声なんか、いくら発信したって何も世界を変える力になんかならない。何の意味もない」と言う人もいるかもしれません。しかし、そんなことは全くありません。
一人ひとりの声は小さなものにしか思えなくても、その小さな声が周りに届き、同じ思いを持った人たちがそれに共鳴して声を上げ、それが大きなうねりとなって世界中に広がっていきます。
大げさに聞こえるかもしれませんけれども、今を生きる一人ひとりの小さな声が地球の未来をつくっていく。地球の未来を変えていく。それが紛れもない事実なのです。
愛のないところに平和は訪れない
平和の土台にあるのは何でしょうか。
それは愛ですよね。「ラブアンドピース」とも言われるように、まず愛が最初にあってその上で平和は成り立っているんです。愛のないところに平和は訪れません。
ロシアとウクライナの問題もそうですし、大小問わず、似たような争いは世界中のいたるところに見られるのではないでしょうか。
一方的に相手を押さえつけ、言うことを聞かせて支配するような行為には愛など全くありません。愛のないところに平和が実現することはなく、そこにあるのは恐怖と不安であり、愛とは正反対のものです。
互いに攻撃して傷つけ合うのではなく、互いに足りない部分を補い合いながら、それぞれの良いところを発揮することで大きな調和が生み出されていくものではないでしょうか。
聖フランシスコの平和の祈り
「聖フランシスコの平和の祈り」というものがあり、世界的に広く知られています。聖フランシスコは十三世紀のイタリアで活動したフランシスコ会の創設者です。
フランシスコの平和の祈りは、実際にはフランシスコが作ったものではないと言われているのですが、本人の精神と生き方がよく表れており、マザーテレサやヨハネ・パウロ二世、フランシスコ教皇、マーガレット・サッチャーなどの宗教家や政治家が公的な場でも聴衆に唱和するように呼びかけたりしているものです。
「平和の祈り」
主よ、わたしを平和の道具とさせてください。
わたしにもたらさせてください……
憎しみのあるところに愛を、
罪のあるところに赦しを、
争いのあるところに一致を、
誤りのあるところに真理を、
疑いのあるところに信仰を、
絶望のあるところに希望を、
闇のあるところに光を、
悲しみのあるところに喜びを。
ああ、主よ、わたしに求めさせてください……
慰められるよりも慰めることを、
理解されるよりも理解することを、
愛されるよりも愛することを。
人は自分を捨ててこそ、それを受け、
自分を忘れてこそ、自分を見いだし、
赦してこそ赦され、
死んでこそ、永遠の命に復活するからです。
(『フランシスコの祈り』石井健吾編訳、女子パウロ会)
ここにもあるように、平和というのは勝手にやって来るものではありません。それは一人ひとりが愛に生きることでつくられ、生み出されていくものです。
その意味で、一人ひとりがまさに平和の担い手であり、誰もがこの星の平和に対して責任を持っているのではないでしょうか。
地球人として生きている私たちの平和をもたらそうとする愛の思いと行いの総和が、地球の平和をつくっていくものなんだと思います。
核兵器を使用した戦争はあってはならない
そして、核兵器を使用した戦争は決してあってはならないことです。今回のロシアとウクライナの件でも、核兵器の使用を示唆するような発言が出ていましたが、そのようなことは絶対にあってはいけないことです。
もしそのようなことになれば、地球が破壊されてしまうようなところまでいく可能性もあり、本当に取り返しがつきません。
特に日本は唯一の被爆国として、その悲惨さを目の当たりにしてきたという歴史もあるわけですから、世界に向けて先頭に立って強い反対を表明すべきだと思いますし、実際に長崎市長がロシアが核兵器使用を示唆したことに関してコメントを出していました。
「ロシアが核兵器使用を示唆したことに関する市長コメント【2022年2月25日】」https://www.city.nagasaki.lg.jp/syokai/710000/713000/p038195.html
私も全くこのコメントの内容に同意です。本当にタイムリーかつ素晴らしいコメントだと感じました。このようなメッセージができるだけ多くの世界中の人たちに伝わってほしいし、自分自身も一人の日本人として伝えていけることを伝えていこうと改めて思いました。
太陽系の中で砕け散ってしまった惑星、マルデック
かつて火星と木星の間にマルデックという惑星がありました。今、小惑星帯と呼ばれているその場所には細かい惑星群が漂っていますけれども、それらはマルデックが砕け散った破片です。
その当時、マルデックは惑星の新たな進化を迎える時期に当たっていたのですが、そのときに核戦争を起こしてしまいました。
その核戦争の反作用によって、巨大な隕石を引き寄せ、彗星などが次々と降り注ぎ、こっぱみじんに惑星自体が砕け散ってしまいました。
核戦争が地球規模で起きれば、そのようなことにもなりかねないということなのです。それは本当に避けなければいけません。
私たち一人ひとりがどのような地球の未来を望むのか
そのためにも私たち一人ひとりがどのような地球の姿を望んでいるのか。戦争など望んでいる人など誰もいないのです。地球に核兵器など必要ないのです。
恐怖や不信感を募らせて互いに攻撃するのではなく、誰もが愛の中で平和に、自由に、信頼し合って、認め合って生きていくことが本当の意味で幸せであるということ。
その当たり前を実現していくために、私たち一人ひとりの愛と平和を求める声が、思いが、行動がこの地球を変えていく力になる。私はそう心から信じています。