心の声を聞く、心の声を生きる
忙しさに振り回されて、ゆっくりと「心の声」に耳をすませる時間がない人が多いです。
迷ったとき、一番信頼できるのは「心の声」だと思います。
自分自身への問いかけ。静かな時間の中で、自分自身に問いかける。
「私が本当にやりたいことは何だろう?」
自分自身が感じていることを信頼する。周りの声に影響され過ぎるのではなく、自らの心を見つめることで、自然と答えが浮かび上がってくる。
そのきっかけは人によって様々かもしれません。
天変地異がそのきっかけとなることもあります。
「人生には限りがある」と気づく
これは知り合いから聞いたある男性の話です。
40歳を前にしたその男性は、会社での出世や職業というものがアイデンティティでした。会社での出世や花形の仕事をするために、日頃から努力を続けていました。
ところが、東日本大震災が起こり、多くの方々が亡くなる姿を見て、「人生には限りがある」と突き付けられたように思いました。
「これまでの漫然とした生き方を続けていてはいけない」
男性はそんなふうに感じました。
会社での出世や、ちやほやされる仕事を目指すのではなく、自分が本当に求めていることは何なのか。それを見極めようと、「心の声」に耳をすますことにしました。
いわゆる「内省」や「内観」と言われることにも通じますが、心を見つめることで自らの生き方を見直しました。
そして、その男性は、社会に役立つ、これまでなかった新たな価値を生み出したいと思い至り、社内で新たなプロジェクトを立ち上げました。
その後、そのプロジェクトをもとに会社から独立し、今の仕事につながっているそうです。
自らの心の声を信じる
人生の中で、誰でも「死」を意識する瞬間があるのだと思います。
この世での人生は永遠に続くわけではありません。しかし、誰もが今の日常がこれから先もずっと続いていくかのように感じて生きています。
「気づきの瞬間」というのは、突然にやって来ます。
その瞬間には、自らの「心の声」を信じて、生き方を変えるチャンスだと思っていただきたいのです。
そのような瞬間はそう何度もやって来るものではありません。
それは「自分がなぜ生まれてきたのか」に通じる気づきでもあります。
自分が何のために生まれてきたのか。その気づきを得られただけでも、大変尊いことだと思います。
その気づきをもとに精一杯生きることができれば、やる気も、気力も、充実感も井戸水のように湧き上がってくるものです。