私たちがあの世からこの世へ生まれ、この世での人生を終えるとあの世へ帰っていくというサイクルを何度も何度も繰り返しているのは、愛とは何かを学び、愛を表現するためです。
愛を学ぶというのは、頭でただそれを知るということではありません。「愛とはこのようなものだ」と口で言うだけでは愛を学んだとは言えません。
愛というのは目には見えず、手品のようにして「これが愛です」と何かを出現させるようなものでもありません。
私たちが愛を感じるのは具体的な行いを通してであり、行いを通して愛というのはこの世界に広がっていきます。
たとえば、マザーテレサが貧困や病に苦しむ人々に寄り添い、人々を救い続けた姿はまさに愛の現れだと言えるのではないでしょうか。
そこには、一人でも多くの人たちの苦しみを軽くしてあげたいという愛の思いがあったのではないかと思います。
そして、実際に人々のために自らのエネルギーと時間を捧げて生き続けたというマザーの姿。その姿を通して人々は愛を感じ取り、愛を学び、愛の大切さを想うのではないでしょうか。
しかし、マザーテレサと全く同じことをしなければいけないと言っているわけではありません。
マザーはマザーにしかできない愛の表現をされました。それと同じように、私たち一人ひとりにも自分自身にしかできない愛の表現の仕方があります。
それが何なのかは簡単には分からないかもしれません。誰かが答えを出してくれるわけでもありません。それは自分自身で答えを見つけていかなければならないものです。
永遠の時間の中で愛とは何かを学び、具体的な実践を通してより大きな深い愛を表現していけるように、私たちは肉体に宿ってこの世に生まれてきてはまたあの世に帰っていくということを何度も繰り返しているのです。
愛の多様さ、奥深さは何千年、何万年、何億年とかけて学んでいくものです。
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