あなたにはどうしても赦せないという人はいますか。
誰かにひどいことをされて心から傷ついたという経験をしたとき、その相手を赦すのは簡単なことではありません。
相手がすべて悪いのだという思いで心がいっぱいになってしまうことも少なくありません。
しかし、そのような思いは苦しみに他ならず、相手を赦すことができなければ、いつまでも苦しみは続いていくものです。
では、どうすればよいのか。
それは、相手にすべての非があるのではなく、自分にも悪いところがあったのではないかという思いに至ることです。
実際のところ、すべてが相手のせいであったということはあり得ません。
相手に原因があったことももちろんですが、その一方で、必ず自分自身にも原因があるのです。
そのことに気づいたとき、初めて赦しの入り口に立つことができるものではないでしょうか。
自分は被害者で、相手が加害者であるという意識から抜け出せない限り、心の苦しみは消えることがありません。
自分も相手もお互いに完璧な存在ではなく、互いに学び合っている身であると、謙虚に客観的に見つめ直すことができたとき、少しずつ、時間はかかっても相手を赦せるようになっていくものなのです。