仏教には「小乗(しょうじょう)」と「大乗(だいじょう)」という言葉があります。
小乗は「小さな乗り物」、大乗は「大きな乗り物」という意味です。
小乗というのは小さな乗り物のように自分が悟り、救われ、幸せになることを目指すものです。
それは「自分作り」とも言えます。
一方、大乗は大きな乗り物ですから、自分だけではなくてすべての人々が救われ、幸せになることを目指します。
すべての人を救うという「衆生救済」という言葉にそれが表れていますよね。
これはどちらが良いとか悪いということではなくて、どちらも必要なのです。
なぜなら、自分作りができていない人に他の多くの人たちを救っていくことはできないからです。
また、自分だけが悟って幸せになれればそれでいいかと言えば、そんなこともないわけですよね。
まだ救われていない人がいるのであれば、その人たちも含めてすべての人たちを救い、幸せにしていくこと。
それがブッダが願われていたことであります。
小乗というのは関心ごとが自分自身に向かっているのに対して、大乗はそれが外に向かっているとも言えますが、最終的にはこの世界をより素晴らしいもの、ユートピアにしていくということ。
そのためには、まずは自分作りから始めましょうということです。
そして、ある程度の基礎ができたのであれば、そこにいつまでも留まっているのではなくて、今度はそれをもって外に向かって人々の幸せのために歩み出そうと。
それが「小乗から大乗へ」ということです。
もちろん、魂の成長進化という意味ではどこまで行っても終わりなどないわけで、人々を救おうとする中で様々な失敗や学びもあるものです。
その経験がまた魂の尊い財産になっていくのです。
そして、その小乗であっても大乗であっても、そのフィールドは地球だけに収まるものではありません。
大宇宙のそれぞれの星々がその場でもあります。
▼「小乗と大乗〜自分作りから衆生救済へ」