私たちは誰もが「心の眼」を持っています。
「心眼」という言い方をされることもありますが、それは肉体の眼には見えないものを見たり、感じ取ったりする力であり、真実を見抜く力とも言われます。
私たちは日頃意識していないだけで、誰もが多かれ少なかれ心の眼を使って生きているのです。
例えば、誰かと話をしているとき、相手の表情やジェスチャーを手がかりにして相手の思いを受け取っていますが、それと同時にそこに表れていない相手の心の中の思いも直接感じ取っています。
人の口から発せられる言葉というのは、その人が心で思っていることのわずかな部分に過ぎませんし、表面に表れて知覚できるもの以上に多くのものがその奥にあります。
よく氷山の一角を表すイメージ図というものがありますけれども、水面より上に出ている氷山の下にはそれ以上の氷が水面下に隠れていますよね。
心の眼というのは、その水面下の氷の塊を見るようなものです。
心の眼が良くなってくると、人が何を思い、何を感じ、その相手の現在の心境はもちろん、今の心境に至るまでの相手の心の動きなどが手に取るように分かるようになってきます。
そして、さらに心の眼が深まると、人の三世を見通すこともできるようになってきます。
三世とは、過去、現在、未来の三つのことです。
その人が過去世でどのような人生を送り、その結果、今どのような人生を生きており、そして、今世の先にどのような来世を送るのか。
そのようなことが途切れることのない原因と結果の繰り返しにおける一本の線のように見通せるということです。
それはなぜかと言えば、現在というのは過去からの積み重ねで成り立っており、未来も現在の積み重ねで創られていくものだからです。
つまり、現在の一点を見つめれば、現在に至るまでの過去が見え、そしてこれから先の未来も見えてくるのです。
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