質問:どうせ人はいつか死ぬのになぜ生きるのですか。
回答:私たちはいずれ必ず死にますよね。
そして、死んだらもう何もかも終わりなんだから、わざわざ生きることに何の意味もないじゃないか、というご質問ですよね。
生きている間に学んだことや気づいたこと、努力したこと、楽しかったこと、苦しかったことなど、死んでしまえばすべて何もなかったことになるじゃないかと思っておられる。
でも、それらがすべて消えることなく、すべてが魂のかけがえのない財産になるとしたらどうでしょうか。
人は死んで終わりなのではありません。
人生というのは、死んだ後にもまだ続きがあるんですよ。
この世での生活を終えると、今度はあの世での生活がまた始まります。
それはつまり、人は死んだら住む世界が変わるということです。
私たちは死んだらこの肉体を脱いで、魂としてあの世の世界へ帰っていきます。
そのときに、あの世へ持って帰れるものは何だと思いますか。
それが今回の人生を通してあなた自身が学んだことなのです。
それだけが唯一あの世に持って帰れるものなんですね。
たとえ生前どんなにお金を持っていたとしても、どんなに地位や名誉があったとしても、それらはあの世には持って帰れません。
人生の日々の生活なんて当たり前のことすぎて、何のありがたみも感じることはないかもしれませんけれども、これほど貴重な時間というのはないんです。
あの世にいたら学べないことが、今回この世に生まれてきて肉体に宿ったからこそ学べるという大きなチャンスになっているんですね。
なぜ生きるのかというとき、人は死んでしまえば終わりだとしたら本当に虚しいですよね。
でも、実際にはそうではないのです。
私たちというのはそんなに虚しく、儚い存在ではありません。
私たちが人生を生きる意味や目的というのは、自らの魂の成長や進化のためであり、そして、より多くの人たちを幸せにし、この世界を愛と調和に満ちた世界にしていくためです。
私たちはそのためにこの世に生まれてきて、一生という限られた貴重な時間を過ごして、あの世へ帰っていきます。
ですから、人生の学びというのは百人いれば百通りで、全く同じ学びをするという人はいないですし、どのように多くの人たちの幸せのために具体的な貢献ができるかというやり方も百人いれば百通りなのです。
あなたならではの個性を生かして、どんなふうにこの人生の中で人々を幸せに導いていけますか、ということが問われているということです。
それはあなたのできることで構わないのです。
その愛の思いと具体的な行いが魂にとっては大きな財産となり、大きな学びとなり、大きな喜びになるのです。
その意味で、この人生というものは決して無駄になるものではなく、それを生かすも殺すも自分次第ということでもあります。
どうせ生きるなら、それを生かしたいですよね。
生かしましょう。
そのために私たちは生まれてきたのですから。