苦しみを味わいたいという人は多くありません。
苦しみから逃げ出したいと思うのが普通だと思います。
ところが、なぜそのような苦しみに直面しなければならないのかを考えてみると、やはりそこには意味があるのです。
人というのは日々を幸せに暮らしている、人生がうまくいっているときには人生の意味や生まれてきた目的などは考えません。
苦しみの中にいるときに考え始めるのです。
「人生とは何なのだろう。いつまでこんな苦しみが続くのだろう。そもそもなぜこの世界はつくられたのだろう。人間とは何なのだろう」と。
そのような苦しみの中にいるときに人は神に呼びかけるのです。
「神様、助けてください。この苦しみを取り除いてください」と。
でも、神は黙って答えません。
なぜなら、その苦しみを取り除いてしまったら、その人の魂が本当の意味で成長する機会を奪ってしまうことを神は知っていらっしゃるからです。
今回の人生だけに限らず、人は生き通しの魂として永遠に生き続けている存在です。
その永遠の時の流れの中で、過去に自分がまいてきた種が実となって目の前に現れているだけであり、もし今苦しいのであれば、それは自分が苦しみの種をまいてきたのです。
それを、原因結果の法則と言われますけれども、自分でやったことの責任は自分で取らなければいけません。
その結果というものが現れていけば、魂は浄化されて苦しみは消えていきます。
苦しみを味わうというのは、まさにそのプロセスにおいて魂が浄化される、膿出しのようなものです。
それはすべて誰のせいでもない、過去の転生の中で自分自身が作り出したものであるということを知れば、苦しみというのは本当はありがたいものなのだといつかは必ず思えるようになるのです。