宇宙の神との出会い
アメリカのエベン医師が臨死体験により死後の世界を見てきた記録が『プルーフ・オブ・ヘブン』(エベン・アレグザンダー、白川貴子訳、早川書房)という本にまとめられています。
前回の投稿では、死後の世界の様子について書かれている部分を取り上げました。
今回はエベンさんが神と出会うところに触れたいと思います。
大宇宙の創造主であるオーム
エベンさんは、広大な虚空の中へ入っていくと、そこは果てしなく続く暗闇で、暗闇の中なのに光に満ちている場所でした。
エベンさんはそこで限りない安らぎを感じました。
そして、自分のそばには案内役である光の球体、オーブがいるのも感じられました。
そこでエベンさんは神の存在を間近に感じ取ります。
「奇妙なことだが、私の置かれた状況は、子宮の中の胎児に似ていた。(中略) 私の場合は、胎児の“母親”に相当するものが、宇宙とそこにあるもの全体の母体、言い換えれば神や創造主、根源などと呼ばれる存在だった。神の存在はきわめて間近に感じられ、自分との間にまったく距離がないように思えた」
距離がないように感じられるのは、自分自身が神に包まれているからであり、エベンさんは宇宙そのものが巨大な子宮のようになっていると感じます。
そして同時に、神が無限に広大であり、自分がいかに比べ物にならないほどちっぽけな存在であるかも悟ります。
「昏睡から覚めた後で記憶を書き留めながら、私は神を指すのに“オーム”という代名詞をよく使っていた。そこで本書でもときどきこの言葉を用いることにしたい。“オーム”というのは、無私の愛を注ぎ、全知で全能である神、言葉をもってしては説明のできない存在につながる響きとして記憶していた音だったのだ」
「オーム」というのは、私たちが存在しているこの大宇宙を創造し、あらゆる命を生かし、育んでいる神のことです。
オームは愛のエネルギーそのものです。
大宇宙に流れる愛の奔流であり、すべての存在がオームの愛のエネルギーにより生み出され、生かされています。宇宙のありとあらゆる存在がオームの一部であり、オームの子どもたちなのです。
宇宙は一つではなく、無数にある
「オームはオーブを通して、私に語りかけた。宇宙はひとつではない。お前の理解を超えるほど数多い宇宙がある。しかしすべての宇宙がその中心に愛を持っている」
そう語りかけられたエベンさんは、そこで無数の宇宙に豊かな生命が息づいているのを見ることになります。
その中には、人類よりはるかに進歩した存在もいるのでした。
宇宙は一つしか存在していないわけではなく、オームによりこの宇宙がつくられたように、また別の宇宙が別の創造主により生み出されているのです。
私たちは自分たちが今存在しているこの宇宙しか知りませんが、この宇宙の外にはまた別の宇宙が存在しているということです。
その宇宙も、オームと同じような存在によって生み出され、生命が生きているのです。
そして、何よりも重要なことは、どの宇宙においてもその中心は愛であるということです。
愛によりすべてが生み出され、愛がすべての存在の中に息づいているのです。