
ねえ、お母さん。人って、死んだらどうなるの?

どうしてそんなことを思ったの?

だってさ、もし死んだら全部終わっちゃうんだったら、今まで一生懸命やってきたこと、全部意味なくなるじゃん。

そう感じることあるよね。お母さんも昔そう思ってた。「死んだら無になるんだ」ってね。

じゃあ、やっぱりそうなの?

ううん。今は違うってわかってるよ。

どうして?だって体は焼かれて灰になるんでしょ?

そう、体はね。でもね、本当の自分は体じゃないんだよ。

体じゃない……?じゃあ何?

「魂」だよ。

魂……?

うん。魂はエネルギーでできていて、消えないの。永遠に続いていくんだよ。

ほんとに?じゃあ、死んでもなくならないの?

なくならないよ。体は舟みたいなもの。魂という本当の自分が、この世を旅するための乗り物なのよ。

舟かぁ……。

そう。人生は川下りの旅みたいなものなのよ。川の流れに沿って、舟を漕いで進んでいく。ときどき左に行ったり、右に行ったり、岩にぶつかることもある。舟が傷つくことだってあるんだよ。

それって、病気とか、ケガみたいなこと?

そう。そんなときは舟を直したり、岸に上がって休んだりしながら、また進んでいく。いろんな選択をしながらね。

じゃあ、河口に着いたら?

河口に着いたら、舟を降りるんだよ。それが「死」だね。でもね、舟を降りても魂は終わらない。あの世に帰っていくの。

あの世に帰ったら、どうなるの?

生きていたときに思ったこと、言ったこと、やったこと。それが全部魂に刻まれて、そのままあの世に帰るんだよ。

体は置いていくけど、魂には残るんだね。

そう。そしてね、人生の意味は「あなたは何を学んで帰ってきますか?」っていう問いなんだよ。

何を学んで……?

うん。魂の成長っていうのはね、どれだけ愛を学んだか、どれだけ愛を広げられたか。それが一番大切なんだよ。

愛を学ぶって、どうやって?

難しく考えなくていいの。小さなことからでいいんだよ。優しくすること、誰かを思いやること、感謝すること。それが全部、愛を学ぶことなのよ。

じゃあ、友達とケンカしちゃったときとかも?

うん。ケンカだって、あとで「どうしてあんなこと言っちゃったんだろう」って反省する気持ちが出てきたら、それも学びだよ。

なんだか、死ぬのがちょっと怖くなくなった。

そうだね。死は終わりじゃなくて、あの世に帰っていくだけなんだから。魂はずっと続いていくの。

そっか、じゃあ、愛をたくさん学んで帰れるように、がんばろうかな。

そうだね。人生は、そのためにあるんだから。